身体が動く本質〜歩くということ:4
- 朝野裕一
- 2019年4月21日
- 読了時間: 3分
歩くことの本質には三つの要素があると考えます。
一つ目が、物理的・力学的原動力による要素。
二つ目が、神経制御によるリズム形成の要素。
そして三つ目が今日のテーマです。
それは、
代謝系、呼吸・循環系の要素です。
物理的な力源は一つ目の要素でしたが、実際に身体を動かす内燃機関
と言ってもいいエネルギー源が今日のテーマになります。
細胞の代謝レベルの話は細かすぎるので省き、主に酸素供給という意味
でのお話にします。
歩き出してそれを継続する、歩き続けるには身体を動かすエネルギー
が必要になります。
筋肉にいくら神経指令が届いても、最終的には化学的な代謝レベルでの
エネルギー発生がなければ、筋肉が収縮を繰り返すことはできません。
これは、
速筋(白筋)と呼ばれる筋肉、遅筋(赤筋)と言われる筋肉に関わらず
当てはまります。
特に遅筋の場合は酸素供給が必要になります。それによって長く継続的
な筋収縮を繰り返すことが可能になるからです。
酸素を供給するシステムに、呼吸・循環器系があります。
酸素を取り入れて血液に吸収させるのが肺です。
肺から取り入れた酸素を血管を通して全身に運ぶ、そのためのポンプが
心臓です。
この肺と心臓からなる酸素供給システムが、身体を動かし続ける主要な
エネルギー源となります。
身体を動かす仕組みとしては、全身の持久力という要素がこれに当て
はまります。具体的には有酸素運動がそのトレーニングとなります。
歩くことも、ウォーキングという言い方でトレーニングとして行うこと
があります。
歩く効用には、力源を上手く使う要素と、神経を通じて筋肉に力を発生
させる要素、そして全身の酸素取り込み能力を活性化させる要素がある
ということになります。
身体を動かす基本として、歩く=歩行が取り上げられるのは、このよう
に多くの要素を兼ね備えて、しかも気軽にできるあるいは日常生活で
必ず行なっている動きだからです。
歩くことを通じて、身体が動く本質をまとめると、
力学的な要因、神経から筋肉への電気的な伝導、酸素供給などを通じた
化学的要因と三位一体的な要素が関係していることが分かります。
身体が動く仕組みとその本質は科学そのものなんですね。
科学というと一般人にはちょっと敷居が高い感じがしますが、誰でも
いつでも行なっている身体を動かすことを通して、科学の具体的な
要素が学べるとも言えます。
身体を動かしながら科学を楽しく学ぶ、これが運動科楽のコンセプト。
あなたも日頃の生活で、身体を動かしながらその仕組みを少しずつ
学んでいって欲しいなと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。
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