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  • 朝野裕一

身体が動く本質〜歩くということ:4

歩くことの本質には三つの要素があると考えます。

一つ目が、物理的・力学的原動力による要素。

二つ目が、神経制御によるリズム形成の要素。

そして三つ目が今日のテーマです。

それは、

代謝系、呼吸・循環系の要素です。

物理的な力源は一つ目の要素でしたが、実際に身体を動かす内燃機関

と言ってもいいエネルギー源が今日のテーマになります。

細胞の代謝レベルの話は細かすぎるので省き、主に酸素供給という意味

でのお話にします。

歩き出してそれを継続する、歩き続けるには身体を動かすエネルギー

が必要になります。

筋肉にいくら神経指令が届いても、最終的には化学的な代謝レベルでの

エネルギー発生がなければ、筋肉が収縮を繰り返すことはできません。

これは、

速筋(白筋)と呼ばれる筋肉、遅筋(赤筋)と言われる筋肉に関わらず

当てはまります。

特に遅筋の場合は酸素供給が必要になります。それによって長く継続的

な筋収縮を繰り返すことが可能になるからです。

酸素を供給するシステムに、呼吸・循環器系があります。

酸素を取り入れて血液に吸収させるのが肺です。

肺から取り入れた酸素を血管を通して全身に運ぶ、そのためのポンプが

心臓です。

この肺と心臓からなる酸素供給システムが、身体を動かし続ける主要な

エネルギー源となります。

身体を動かす仕組みとしては、全身の持久力という要素がこれに当て

はまります。具体的には有酸素運動がそのトレーニングとなります。

歩くことも、ウォーキングという言い方でトレーニングとして行うこと

があります。

歩く効用には、力源を上手く使う要素と、神経を通じて筋肉に力を発生

させる要素、そして全身の酸素取り込み能力を活性化させる要素がある

ということになります。

身体を動かす基本として、歩く=歩行が取り上げられるのは、このよう

に多くの要素を兼ね備えて、しかも気軽にできるあるいは日常生活で

必ず行なっている動きだからです。

歩くことを通じて、身体が動く本質をまとめると、

力学的な要因、神経から筋肉への電気的な伝導、酸素供給などを通じた

化学的要因と三位一体的な要素が関係していることが分かります。

身体が動く仕組みとその本質は科学そのものなんですね。

科学というと一般人にはちょっと敷居が高い感じがしますが、誰でも

いつでも行なっている身体を動かすことを通して、科学の具体的な

要素が学べるとも言えます。

身体を動かしながら科学を楽しく学ぶ、これが運動のコンセプト。

あなたも日頃の生活で、身体を動かしながらその仕組みを少しずつ

学んでいって欲しいなと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。また明日。

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