top of page
  • 朝野裕一

関節可動域が大事な理由;股関節編

ここまで何回も関節の可動域、身体の部分が動く範囲と言い換えても

いいでしょう、がいかに大事かを考えてきました。

今日はこの点について、

もう少しわかりやすく見つめ直してみようと思います。

中でも股関節の可動範囲は下肢全体の動きを決める非常に重要な役割を

持っています。

股関節の動きによってその先の足(先)の位置が決まるわけで、

日常生活に置き換えれば、靴下を履く・爪を切るなどの動作に欠かせ

ないものになってきます。

もちろん重心の位置を移動させる際にも大きな役割を持っていますし、

言ってみれば身体の中心部分である体幹部を動かす時にも、その起点と

なるのが股関節です。

それを知るわかりやすいテストに、立位体前屈というものがあります。

体幹を深く曲げて(膝は伸ばしたまま)どれだけ体を曲げることが

できるかを見るテストです。

この動きの中心は股関節です。

股関節を曲げる動き(の範囲)が制限されていると、この動作がとても

しづらくなります。

結果的に膝を伸ばしたまま床に手がつかなかったり、床に腰を下ろした

状態で、手が足先に届かなかったりします。

これが先ほど述べた靴下を履く・爪を切るなどの日常生活動作に支障を

きたすことになります。

手が爪まで届かないと、膝を折り曲げて距離を縮めますが、その時は

より股関節も曲げなければなりません。

また何度も書いている振り返り動作の際にも、頸部や胸椎部などと

ともに身体を回す役割を担っているのが股関節です。

特に、上部体幹と言われる胸部を回すのは胸椎部ですが、体幹部全体

(骨盤や腰椎部を含む)を回す起点部分は股関節です。

これらの日常生活における動きに大きな筋力は普通必要とされません。

その動きを規定するのは、ほとんどがその部分の動く範囲です。

すなわち、関節の可動域です。

そもそも動く範囲に制限があれば、いくら筋力を強めても動く範囲は

ほとんど変わりません。

というわけで我々が日常生活上何気なく行っている様々な動作に、

関節の可動域が重要な役割を果たしている、ということは何度お話し

してもし過ぎるということはないでしょう。

そんな観点でこれからも、

様々な部位の可動範囲について、もう一度見直してみようと思います。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。みなさん爪を切るとき

ちょっと不自由だなと思ったら、股関節を曲げるハムストリングスの

ストレッチだけでもまずはやってみた方が良いと思います、また明日。

※股関節に痛みがある場合や、変形性股関節症・人工股関節置換術後の方

などは無理せず、場合によっては医師に相談する必要があるでしょう※

bottom of page