top of page
  • 朝野裕一

物を投げる動きについて

丸めた紙を近くのゴミ箱へヒョイっと投げる、なんてことは誰でも

一度はしたことがあるでしょう。

物を投げるって、意外と日常生活でもよく行う動きです。

改めて投げる動き・動作を考えてみると、結構色々な要素の総合動作

だということがわかります。

まず投げる物によって投げ方は変わってきます。また、

その重さ、形状、大きさ、どこに投げるか、何を目的に投げるか・・・

などでも投げ方や投げづらさなどが変わります。

年齢によっても変わるでしょう。

発達段階の幼児やもう少し成長した小児、もっと成熟した青年・成年

高齢の方、などによっても投げ方は変わると思われます。

投げるというとすぐにボール状のものを想像しますが、必ずしも球を

投げるとは限りませんね。

球を投げるのは投球動作といって、野球などやその他の球技により、

それはそれで投げ方も投げる目的も異なってきます。

例えば、先ほど例に出したようなゴミ箱へ紙くずを丸めて投げる、

これはある容器にきちんと物を入れるという目的があります。

それとは違って、何かに当てるという目的もあるでしょう。

どちらにしても、ある目標に(ターゲット)に向けて、物を投げる

ことになります。

さて少し視点を変えて、

物を投げる時にはどんな要素が必要でしょう。

もちろん上肢(肩から肘、手など)を使いますよね。

肩や肘、手の動きがうまく連動していないと、物を思うように、

思うところへ投げることができなくなります。

また投げる時の筋肉の作用がうまく連動していなくても投げる動作が

不自由になるでしょう。

立って投げるのか座って投げるのかでも使う筋肉やバランス能力が

違ってきます。

何れにしても上肢を動かす時には、その大元の体幹部がしっかりと安定

していなければ、腕の振りが安定しません。

体(体幹部)がグラグラしていては、投げる時に物がどこに飛んでいく

かわかりません。

立って投げるとなれば体幹だけではなく、下肢の機能も関係してきます

体幹や下肢が安定していても、腕の使い方が上手くいかない、いわば

協調性が損なわれていると上手く物を投げられません。

もしくは、単に物をを持ち上げるだけの筋力が足りない、あるいは

筋力以上の重い物を投げるとなると上手く投げられないでしょう。

もしかしたら、標的(ターゲット)に向けて投げようとした時、

それを視覚でうまく捕らえられていないと、上手く投げられません。

そもそもそういう課題に集中できていないから投げられない、

投げない、投げる気がない、

なんてこともあるでしょう。

的に当てるという課題に過度に緊張してしまい、筋肉の協調性が上手く

働かずに、投げ損ねることもありますね。

そう考えてみると、単に的当ての遊びを通じても、色々なことが

分かってくるかもしれません。

色々な物を、様々な条件で、目的を変えて投げる、それだけでも

その人の運動の一端が見えてくるような気がします。

人前でポイっと物を投げる動作は、お行儀が悪いと思われるかもしれ

ませんが、

投げる動作自体はいろんなことを教えてくれる動きでもあります。

他人に迷惑をかけない条件・環境下では、物を投げる動きを観察して

自分でも行ってみることは、動きの面白みを知るきっかけになるのでは

ないかと思っています。

物を投げるあれこれでした。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

紙くずがゴミ箱にストンと入ると気分が良いものですよね。また明日。

閲覧数:17回0件のコメント
bottom of page